■日本人で初めて自由形を制した

 柴田亜衣(元競泳選手)

 

 柴田亜衣さんは1982年5月14日、福岡県太宰府市に生まれた。3歳からスイミングスクールに通って泳ぎを磨いたが高校までは無名の選手。鹿屋体育大学教授で水泳部監督だった田中孝夫氏を紹介され、鹿屋体育大学に進学する道を選んだが、進学の条件として「インターハイ決勝進出」を提示された。柴田さんはこの条件を5位入賞でクリアして2001年に希望通り鹿屋体育大学に進んだ。

 その後、田中氏の指導でめきめきと頭角を現し始めた柴田さんは、2003年に初めて世界選手権に出場。翌年の2004年には日本選手権で派遣標準記録をクリアし、見事アテネ五輪への出場(初出場)を決めた。成長著しい柴田さんは、アテネ五輪女子800㍍自由形で、同種目日本人としては初めての金メダル獲得の快挙を成し遂げ日本中を沸かせた。記録は8分24秒54だった。期待された4年後の北京五輪では、400㍍自由形、800㍍自由形の2種目に出場したが、残念ながら力を発揮できず予選敗退に涙を飲み、そのまま引退を発表した。

▷400㍍・1500㍍女子自由形の日本記録保持者▷現在はスポーツ普及活動をメインに、水泳の楽しさ、水トの親しみ方などを伝える伝道師して全国各地で子どもからマスターズスイマーまで幅広く活躍中▷2012年9月に神奈川県在住の男性団体職員と結婚した▷マネジメント会社は株式会社プラミン(東京都)▷男児2人の母親。

《競泳日本女子歴代メダリスト》

 

【1932年ロサンゼルス五輪】前畑秀子(200㍍平泳ぎ)銀【1936年ベルリン五輪】前畑秀子(200㍍平泳ぎ)金【1960年ローマ五輪】田中聡子(100㍍背泳ぎ)銅【1972年ミュンヘン五輪】青木まゆみ(100㍍バタフライ)金【1992年バルセロナ五輪】岩崎恭子(200㍍平泳ぎ)金【2000年シドニー五輪】中村真衣(100㍍背泳ぎ)銀、(4×100㍍メドレーリレー)銅、田中雅美(4×100㍍メドレーリレー)銅、大西順子(4×100㍍メドレーリレー)銅、源純夏(4×100㍍メドレーリレー)銅、田島寧子(400㍍個人メドレー)銀、中尾美樹(200㍍背泳ぎ)銅【2004年アテネ五輪】柴田亜衣(800㍍自由形)金、中村礼子(200㍍背泳ぎ)銅、中西悠子(200㍍バタフライ)銅【2008年北京五輪】中村礼子(200㍍背泳ぎ)銅【2012年ロンドン五輪】鈴木聡子(200㍍平泳ぎ)銀、(100㍍平泳ぎ)銅、(4×100㍍メドレーリレー)銅、寺川綾(200㍍背泳ぎ)銅、(4×100㍍メドレーリレー)銅、星奈津美(200㍍バタフライ)銅、加藤ゆか(4×100㍍メドレーリレー)銅、上田春佳(4×100㍍メドレーリレー)銅【2016年リオデジャネイロ五輪】金藤理絵(200㍍平泳ぎ)金、星奈津美(200㍍バタフライ)銅

■佐々木が160㌔投球【プロ野球】

ロッテのドラフト1位右腕、佐々木朗希(18)=岩手・大船渡高出=が2020年5月26日(火)、ZOZOマリンでプロ入り後葉詰め手の実戦形式のシート打撃に打撃投手として登板。打者3人に対して、本塁打1本を許したものの最速160㌔の直球などで2人を三振に討ち取り存在を大きくアプローチした。佐々木は「スピードよりも空振りを奪えたことに喜びを感じた」と淡々と振り返った。直球の平均球速は約157㌔だった。

■菅野[打者]156ボール、157ボール、156ファウル、157本塁打▶菅野 直球に絞っていました。変化球が来たら打てませんでした。今まで見たことのない、すごいボールです■藤岡[打者]160ストライク、143空振り、160空三振▶藤岡 直球はソフトバンク千賀さんに近い。フォークもすごい落差だったし、打てませんよ■福田光[打者]146空振り、142ファウル、159ボール、155空三振▶福田光 前回の打撃投手と違って、今日は変化球もあったので打つことは難しかったです▶ロッテ吉井投手コーチ まずは1イニングから。先発かリリーフかは、まだ決めていません。

▶早くも160㌔を出した佐々木朗希投手はやはり怪物。菅野外野手に一発を浴びましたが、あとの2人は三振にきって取り、やはりただ者ではありません。


■世界を見据える新星、御家瀬【陸上】

昨年(2019年)の陸上日本選手権女子100㍍で高校生として29年ぶりの優勝を飾った御家瀬(みかせ)緑(18)が、今年4月に住友電工に入社。故郷の北海道から東京に拠点を移し本格稼動のはずだったが、新型コロナウイルスの影響を受け練習は自粛。それでも新世代のスプリンターは世界を意識し努力を重ねる。

 

住友電工には小池祐貴や多田修平など世界で活躍する選手が多い。御家瀬は、小池を指導する走り幅跳び元日本記録保持者の臼井純一コーチ(62)に師事し、フォームを重視する指導を受けている。御家瀬が世界を目指すきっかけとなった2019年日本選手権では、高校生の御家瀬が29年ぶり(高校生が)の全日本女王となった。「あの大会でメンタルの自信がついたが記録は満足いかない」と振り返る。尊敬する福島千里ですらなしえなかった偉業だが、「自分で自分を日本一だと認められるように努力したい」と上を見据える。

御家瀬緑(みかせ・みどり)

 □生年月日/2001年(平成13年)6月2日□出身地/北海道札幌市□出身校/恵庭北高□身長/161㌢□珍しい名字/御家瀬姓は北海道に多く全国で約70人程度□戦績/2019年インターハイ女子100㍍優勝、2019年日本選手権女子100㍍優勝□自己ベスト/100㍍11秒46(高校歴代2位)幅跳び6㍍03□目標の選手/同じ北海道出身の福島千里選手□主な北海道出身の陸上選手/福島千里(31=セイコー)も、寺田明日香(30=パソナグループ)、右代啓祐(33=国士舘クラブ)、堤雄司(30=ALSOK群馬)、北口 榛花(22=JAL)など。

▶昨年(2019)高校総体のヒロイン御家瀬さんは大学進学ではなく社会人に進んだんですね。同じ北海道の先輩〝福島越え〟を期待しています。


■元世界記録保持者の山口観弘が現役続行【競泳】

18歳だった2012年9月の岐阜国体競泳男子200㍍平泳ぎで世界新記録を出し、〝北島2世〟とも称された山口観弘(25)は、その後記録が伸び悩み、今年4月の東京五輪代表選考会に最後のチャンスを賭け、今秋にも進退する意向を示していたが、歯科型コロナウイルスの影響により東京五輪が1年延期に。悩んだ末に現役続行を決め、来年4月にばれ込んだ代表選考に挑む決意を固めた。元世界記録保持者の奮起を期待したい。

高校3年に当時の世界記録保持者のダリエル・ギュルタ(ハンガリー)の2分7秒28を上回る2分7秒01を樹立、日本人としては戦後初となる高校生の快挙にスポットライトが浴びせられた。高校卒業後は東洋大学に進学したが『思い通りに泳げない』苦悩の日々が続いた。

翌年の2013年の世界選手権では、表彰台にすら上がれず、2016年のリオデジャネイロ五輪では代表選考会でまさかの予選敗退。〝黄金世代〟と呼ばれた同世代の瀬戸大地と萩野公介は五輪の切符を勝ち取りメダリストとして帰国。山口は、一人取り残された孤独感とどん底感を味わった。

 

山口の世界記録も2019年の世界選手権でアルトン・チェプコフ(ロシア)に破られた(2分6秒12)。山口はかっての泳ぎを取り戻せず苦渋の日々が続く。「今の実力のままでは現実的に『五輪出場は厳しい』ことも分かっている。それでも…」と夢を捨てられない。失うものが無くなったかっての天才アスリート。来年の代表選考会に競技人生のすべてをぶつける。

山口観弘(やまぐち・あきひろ)《競泳平泳ぎ選手》

 □生年月日/1994年9月11日□出身地/鹿児島県志希志市□出身校/東洋大□所属/志希志DC□身長/174㌢/体重/67㌔□主な戦績/2012年ジュニアパンパシフィック選手権100㍍平泳ぎ[金]、同200㍍平泳ぎ[金]、同400㍍メドレーリレー[金]□2018年8月に一般女性と結婚、2020年2月、秋に行われる鹿児島国体を最後に引退を発表。


■富士大の豪腕9人衆【大学野球】

北東北大学野球リーグに参戦する富士大(岩手)には、今年は球速140㌔を超える豪腕9人を擁しリベンジ優勝を狙う。2018年秋にリーグ史上初の10連覇を成し遂げたものの、昨年は春、秋ともに優勝できなかった。今年は投手陣が急成長、4年生5人を始め、伸び盛りの下級生を含め9人の投手で返り咲きの優勝を目指す。新型コロナウイルスの影響で、今春のリーグ戦開幕は5月30日に延期された。コロナが終息すれば、スタートダッシュをかける。

》投手は4年の宇賀神陸玖(最速144㌔)、布施宏基(最速148㌔)、川原直貴(最速147㌔)、渡辺法聖(最速140㌔)、登藤光(最速144㌔)の5人と3年の宮下竜一(最速148㌔)、石井涼(最速147㌔)の2人、2年の金村尚真(最速148㌔)、原田翔太(最速148㌔)の2人で計9人と豪腕投手が揃う。ポーカーフェイスの登藤光=写真=は、九里学園高(山形県米沢市)出身。身長183㌢(体重82㌔)の長身左腕(上手投)。独特な2段モーションの投球フォームで打者のタイミングをずらして打ち取る投手だ。1年秋に左肩を手術し、昨秋にようやくリーグ戦デビュー。ノースアジア大戦(2019・9/8)で初登板先発し、4回2/3を3安打無失点に抑えた。勝ち星はなかったが存在感を示した。今春の神奈川キャンプ中には社会人や大学生相手に好投するなど、最高学年での奮起を期待されている。

▶登藤投手は九里学園時代、投打で活躍していましたね。長身の変則投げでボールの出どころ見えづらく打者は打ちずらそうでした。昨年(3年)から登場し、最終学年(4年)で本領発揮といきたいですね。

[4年]▷宇賀神陸玖 左投げ 身長175㌢体重80㌔ 作新学院▷布施宏基 左投げ 身長180㌢体重88㌔ 日大藤沢▷渡辺法聖 左投げ 身長180㌢体重87㌔ 東北▷川原直貴 右投げ 身長177㌢体重83㌔ 大曲

[3年]▷宮下竜一 右投げ 身長180㌢体重66㌔ 武相▷石井涼 右投げ 身長188㌢体重84㌔ 三浦学苑

[2年]▷金村尚真 右投げ 身長175㌢体重73㌔ 岡山学芸館▷原田翔太 左投げ 身長176㌢体重71㌔ 平塚学園

富士大学□野球部創部/1965年(昭和40年)□所在地/岩手県花巻市下根子450-3□部長/鈴木晃彦□監督/豊田圭史□主な施設/専用球場、スポーツセンター、野球寮

《富士大OBプロ野球選手》

・中村恭平(広島)2011年卒・山川穂高(西武)2014年卒・外崎修汰(西武)2015年卒・多和田真三郎(西武)2016年卒・小野泰己(阪神)2017年卒・佐藤龍世(西武)2019年卒・鈴木翔天(楽天)2019年卒